「Googleが掲げる10の事実」から読み解くSEO対策の本質

Googleが掲げる10の事実」は、いわばGoogleの企業理念というべき十か条です。

Googleの設立数年後に策定されたものですが、Googleは今もなお、Googleがこの世に送り出すサービスのすべてがこの事実のとおりであるよう努めています。

言い換えれば、Googleが追い求める検索エンジンのあるべき姿は、この10の事実を読み解くことで見えてきます。

そこで今回は、Googleが掲げる10の事実を「SEO」という観点で見ていきたいと思います。

目次

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。

Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。

事実1から分かること

  • ユーザーファースト

SEOの最も本質的で、最も基本的な原則が述べられています。

ユーザーにとって使いやすく、ユーザーとって必要な情報が適切に提供されるべきというユーザーファーストの原則です。

デザインも表示速度も、広告の位置すらも、それらはすべてユーザーのためにどうあるべきかを考えることで、自ずとSEOにおいても最適な解が見えてきます。

2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。

Google は検索を行う会社です。検索問題を解決することだけに焦点を置いた世界最大級の研究グループを有する Google は、自分たちにできることが何か、それをもっとうまくやるにはどうすればいいかを知っています。複雑な問題も反復に反復を重ねて解決し、すでに膨大なユーザーが情報をすばやくシームレスに検索できているサービスに対しても、絶え間ない改善を続けています。検索分野で培った技術は、Gmail、Google マップなどの新しいサービスにも応用されています。Google では、他の分野でも検索技術を活用することで、ユーザーが生活のあらゆる面においてさまざまな情報にアクセスして利用できるよう努力を続けています。

事実2から分かること

  • E-A-Tの重要性

「Googleは検索を行う会社です」という一文が印象的です。

Googleはあくまで検索問題を解決することだけに焦点を置いた会社であり、検索分野で培った技術を応用して、さらにユーザーが様々な情報にアクセスできるよう努力しています。

これは、SEOにおいて特に重要とされるE-A-T(Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性))に通ずる話です。

サイト設計においても、1つのことをとことん極めることが、結果的にユーザーに有益な情報をもたらすことにつながります。

3. 遅いより速いほうがいい。

Google は、ユーザーの貴重な時間を無駄にせず、必要とする情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと考えています。自社のウェブサイトにユーザーが留まる時間をできるだけ短くすることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう。Google は、Google のサイトのページから余計なビットやバイトを削ぎ落とし、サーバー環境の効率を向上させることで、自己の持つスピード記録を何度も塗り替えてきました。検索結果の平均応答時間は 1 秒足らずです。Google が新しいサービスをリリースするときには、常にスピードを念頭に置いています。モバイルアプリをリリースするときも、新時代のウェブにふさわしい高速ブラウザの Google Chrome をリリースするときも同じです。今後も、さらなるスピードアップを目指して努力を続けていきます。

事実3から分かること

  • サイトスピード(表示速度)の重要性

Googleの、検索ボックスだけのシンプルなトップページは、ユーザーの貴重な時間を無駄にしないための企業努力の結果です。

これはGoogleのトップページにだけ言える話ではありません。

ユーザーの時間を無駄に消費するサイトは、Googleからも評価されません。

サイトスピード(表示速度)は速ければ速いほどいいというシンプルな原則です。

4. ウェブ上の民主主義は機能する。

Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。

事実4から分かること

  • 外部対策(被リンク、サイテーション)の重要性

Googleの検索順位が正しく機能するのは、Webページ間のリンクを「投票」と解し、どのサイトが最高の情報源として用いられているのかを解釈しているためです。

これは論文と同じで、多く引用されている文献はそれだけ学術的価値が高いと認められるように、他サイトから多くリンクが張られているサイトの価値もGoogleは評価します。

「ウェブ上の民主主義は機能する」という一文で、そのすべてが理解できます。

5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。

世界はますますモバイル化し、いつどこにいても必要な情報にアクセスできることが求められています。Google は、モバイル サービスの新技術を開発し、新たなソリューションを提供しています。スマートフォンから Google 検索にさまざまな方法でアクセスできるだけでなく、メールを読んだり、カレンダーでイベントを確認したり、動画を見たりなど、世界中のあちこちからスマートフォンをさまざまな用途に使えるようになりました。また、無料のオープンソース モバイル プラットフォームである Android では、さらに画期的な革新をモバイル ユーザーに提供したいと考えています。Android は、インターネットの土台にあるオープン性をモバイルの世界にもたらすものです。Android によって、ユーザーの選択肢が広がり、先進のモバイル体験が可能となるだけでなく、携帯通信事業者、メーカー、デベロッパーにとっては、新たな収益機会が生まれます。

事実5から分かること

  • モバイルフレンドリー

Googleは「モバイルフレンドリー」を評価要素の一つに置いています。

いまやスマホ向けの”レスポンシブデザイン”は必須であり、スマホで開いたのにPC版の小さい文字が表示されるサイトなどは、明確に検索順位が下がるアップデートが過去になされています。

今後もスマホやタブレットの普及率は増していくでしょうから、モバイルを意識しないサイトは淘汰されていきます。

6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。

Google は営利企業です。企業に検索テクノロジーを提供することと、Google のサイトやその他のウェブサイトに有料広告を掲載することで収益を得ています。世界中の数多くの広告主が AdWords で商品を宣伝し、数多くのサイト運営者が Google の AdSense プログラムでサイトのコンテンツに関連する広告を配信しています。広告主だけでなく、すべてのユーザーの皆さんにご満足いただくため、Google では広告プログラムとその実践について次のような基本理念を掲げています。

  1. 検索結果ページには、その内容と関連性のない広告の掲載は認めません。Google は、広告というものはユーザーが必要としている情報と関連性がある場合にのみ役立つと考えています。そのため、検索結果ページに広告がまったく表示されない場合もあります。
  2. 派手な広告でなくても効果は上げられると Google は考えています。ポップアップ広告は邪魔になってユーザーが見たいコンテンツを自由に見られないので、Google では許可していません。Google は、閲覧しているユーザーに関連性のあるテキスト広告のほうが、ランダムに掲載される広告よりずっとクリック率が高いことに着目しました。企業の規模には関係なく、あらゆる広告主がこのターゲット広告を利用できます。
  3. Google が掲載する広告には、スポンサーによる広告リンク(スポンサーリンク)であることを必ず明記しているため、検索結果の完全性が損なわれません。Google が検索結果のランクに手を加えてパートナー サイトの順位を高めるようなことは絶対にありません。PageRank は、お金で買うことはできません。Google のユーザーは Google の客観性を信頼しているのであり、その信頼を損なって短期的に収益が増加しても意味がないのです

事実6から分かること

  • ブラックハットSEOの否定

Googleも営利企業ゆえに、広告の配信事業により利益を得る必要があります。

しかし、ユーザーの検索意図に関連のない広告や、必要以上に派手な広告は、Googleが理想とすべきものではありません。

また、ページランク、すなわち検索順位はお金で買うことはできないと述べています。

SEO対策の中には、被リンクをお金で買ったり、大量にキーワードを詰め込んだりするブラックハットSEOと呼ばれる手法がありますが、当然のことながら、Googleはこういったブラックな手法(ユーザーを欺く手法)は認めません。

そのほか、誤クリックを誘ったり、紛らわしいコンテンツにもペナルティがあります。

総じて、Googleはユーザーに真摯に向き合うことを求めており、そのためのアップデートをこれまでも繰り返してきています。

7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。

Google が他のどの検索サービスよりも多い HTML ページのインデックス登録に成功した後、Google のエンジニアたちは、簡単には検索できない情報に目を向けました。その一部は、電話番号や住所、事業別ディレクトリなどで、新しいデータベースを統合するだけで検索可能になりました。しかし、中にはもっと工夫が必要なものもありました。たとえば、ニュース アーカイブ、特許、学術誌、数十億枚の画像や数百万冊の書籍を検索する機能です。Google の研究者たちは、今後も世界中のあらゆる情報を検索ユーザーに提供するために開発を続けていきます

事実7から分かること

  • 情報を提供し続けることの重要性

Googleの検索機能は、すでに十分なレベルで高性能で、検索で調べれば大抵のことは解決します。

しかし、Googleの研究者たちは、今後も世界中のあらゆる情報を検索ユーザーに届けるために努力すると述べています。

すなわち、今のGoogle上にはまだまだユーザーの求める情報が足りないと考えているということです。

ユーザーの悩みが尽きない限り情報が飽和することはなく、私たちサイト運営者も、ユーザーが求める情報が何かを考え続けて提供することが大切です。

8. 情報のニーズはすべての国境を越える。

Google の創業地はカリフォルニアですが、全世界のユーザーにすべての言語で情報へのアクセスを提供することを目標としています。そのため、60 以上の国にオフィスを構え、180 を超えるインターネット ドメインを有し、検索結果の半分以上を米国外のユーザーに提供しています。Google の検索インターフェースは 130 を超える言語で利用でき、検索結果を自国語のコンテンツのみに制限できる機能もあります。さらに Google では、その他のアプリケーションやサービスについても、できるだけ多くの言語と利用しやすいフォーマットで提供することを目標としています。Google の翻訳ツールを使用すれば、自分の知らない言語で書かれた地球の反対側のコンテンツも読むことができます。こうしたツールやボランティア翻訳者の力を借りて、世界中のさまざまな国や地域に対し、サービスの多様性と品質を大幅に向上させることができました。

事実8から分かること

  • 多言語対応、ユニバーサルデザインの重要性

Googleは言語にかかわらず、全世界のすべてのユーザーにすべての言語で情報を提供することを目標としています。

今のSEOにおいて多言語対応は求められていませんが、将来的にはモバイルフレンドリーと同様に、自動翻訳の実装等による多言語対応が必須となる可能性はあります。

また、これは完全なる主観ですが、音声読み上げなどいわゆるユニバーサルデザインもGoogleは観念しているかもしれません。

9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。

Google の共同創設者は、仕事は挑戦に満ちていなければいけない、挑戦は楽しくなければいけないという考えで会社を作りました。適切な企業文化があるほうが、創造性のある優秀な成果が上がりやすくなると Google は考えています。企業文化とは、ラバランプやバランスボールのことだけではありません。チームで目標を達成することや、個人の業績に対する誇りが会社全体の成功につながるということを強調しています。Google は社員を厚く信頼しています。Google の社員たちはさまざまなバックグラウンドを持ち、エネルギーと情熱をほとばしらせながら、仕事、遊び、人生に独創的にアプローチしています。打ち解けた雰囲気の中、カフェ、チーム ミーティング、ジムなどで生まれた新しいアイデアは、またたく間に意見交換が進み、試行錯誤を経て、すぐに形になります。こうしたアイデアが、世界展開を視野に入れた新しいプロジェクトの出発点になることもあるかもしれません。

事実9から分かること

  • 型にとらわれない創造性

Googleの社員は、さまざまなバックグラウンドを持ち、独創的に仕事にアプローチしています。

これは、Googleが社員を信頼し、適切な企業文化を築く努力をしてきたからこそ成り立つものです。

直接的にSEOに結び付けるのは難しいですが、Googleは多様性が価値を生み出すと考えていて、検索結果にもそれを求めている可能性があります。

10. 「すばらしい」では足りない。

Google にとって一番であることはゴールではなく、出発点に過ぎません。Google では、まだ達成できないとわかっていることを目標に設定します。そうすることで、目標達成に向けて全力を尽くし、期待以上の成果を残せるからです。Google は、技術革新を繰り返し、機能性の高いサービスに対して、さらに期待を上回る改良を加えています。たとえば、正しいスペルの単語を入力したときに正常に検索されるのを見たあるエンジニアは、スペルが間違っているときの処理方法について改善の余地を見出し、直感的で役に立つスペル チェッカーを開発しました。

たとえユーザーが自分の探すものを正確に把握していなくても、ウェブで答えを探すこと自体はユーザーの問題ではなく Google の問題です。Google は、全世界のユーザーがまだ具体的にイメージしていないニーズを予測し、新たなスタンダードとなるサービスを作り出しています。たとえば、Gmail を始めたときには、当時のどのメールサービスよりも多くの保存容量を提供しました。今考えると当たり前のサービスですが、そう思えるのは、現在 Google のメール容量が新たなスタンダードになっているからです。このような変化をもたらすのが Google の望みであり、新たな一歩を踏み出す方向を Google は常に探しています。つまり、現状に満足しないことが Google のすべての原動力となっているのです。

事実10から分かること

  • ユーザーの求める情報を提供することに徹する

Googleは、まだ達成できないとわかっていることを目標に設定します。そうやって今までも、数々のアルゴリズムアップデートを繰り返してきました。

「たとえユーザーが自分の探すものを正確に把握していなくても、ウェブで答えを探すこと自体はユーザーの問題ではなく Google の問題です」

という一文は非常に印象的です。

サジェスト機能や、位置情報によるローカル結果の提供、QDFなど、ユーザーの検索意図が明確か否かにかかわらず、Googleはユーザーが真に求める情報を提供しようとします。

サイト運営者がユーザーニーズを満たす情報を提供し続ける努力を怠らなければ、後はGoogleが必要なユーザーにその情報を正しく届けてくれます。

まとめ:Googleの掲げる10の事実からGoogleの理念を理解する

本記事では、「Googleが掲げる10の事実」をSEOに関連付けてご紹介しました。

現在のSEO手法を学ぶことも重要ですが、Googleのアルゴリズムは常にアップデートされています。

普遍的なGoogleの理念を理解して、サイト設計やSEOにのぞみましょう。

今回は以上です。

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この記事を書いた人

【経歴】仕事:金融マン ▶︎ そよログ運営・4ヵ月目 【実績】0円から3か月目で最高月収11,369円 ▶︎ SEO検定1級保有 ▶︎ 毎日更新100日達成

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