記事数(ページ数)は増やせば増やすほどSEO効果があるのでしょうか?
記事数(ページ数)を増やせば上位表示できるようになるのでしょうか?
今回はこんな疑問にお答えします。
結論から申し上げると、記事数(ページ数)の増加自体に直接のSEO効果はありませんが、間接的にはSEO効果があり、上位表示に繋がりうる要素となります。
本記事では、上記の結論に至る理由も含めて具体的に解説していきます。
この記事を読めば、「記事数を増やす」ことがどういうことなのか、その意味が理解できるはずです。
記事数(ページ数)の増加自体に直接のSEO効果はない
Googleのジョン・ミュラー氏の発言
単なる記事数(ページ数)の増加にSEO効果がないことは、Googleのジョン・ミュラー氏が以下のとおり述べています。
A higher page count means nothing ……. There’s (still) no magical ranking factor that results in a site ranking better if it has more pages indexed.
引用:Reddit
【訳】ページ数が多いことに何の意味もありません……。インデックスに登録されているページが多いほど、サイトのランキングが上がる魔法のランキング要素は(まだ)ありません。
このように、ただ単に記事数を増やしたところで上位表示できるわけではありません。
したがって、無価値なページを量産することに意味はないと言えます。
記事数(ページ数)を闇雲に増やすとサイト評価の低下につながる
闇雲に記事数(ページ数)を増やすことだけに注力すると、以下の問題によりかえってサイト評価を落とす可能性もあります。
- 低品質なコンテンツ
- キーワードカニバリゼーション
①低品質なコンテンツ
低品質なコンテンツがサイトの一部にしか存在しない場合でも、サイト全体の掲載順位に影響を与えることがあるということにご注意ください。低品質なページを削除したり、内容の薄いページをまとめて役に立つコンテンツに改善したり、もしくは低品質なコンテンツを他のドメインに移動させたりすることが、最終的に良質なコンテンツの掲載順位を改善することにつながります。
引用:Googleウェブマスター向け公式ブログ「良質なサイトを作るためのアドバイス」
記事数を増やす目的で低品質なコンテンツ(記事)を量産すると、サイト全体の掲載順位に悪影響を及ぼします。
②キーワードカニバリゼーション
「キーワードカニバリゼーション」とは、サイト内の複数の記事(ページ)が同じキーワードで競合してしまっている状態を言います。
※カニバリゼーション(cannibalization):「共食い」の意味
例として、「ノートパソコン おすすめ」と検索したとき、自サイトの記事Aが12位、記事Bが14位に表示されたとします。
このように、あるキーワードに対して近い順位で記事が並んだときは、キーワードカニバリゼーションが起きている可能性があります。
12位と14位に記事が並ぶなら結構良いのでは?
そのような見方もありますが、一般的には良しとされません。
なぜなら、ユーザーの検索意図に対してGoogleの評価が記事Aと記事Bに分散してしまっているためで、カニバリを解消することで片方の記事がより高順位になる可能性があるからです。
Googleのジョン・ミュラー氏も、以下のように述べています。
If you have a bunch of pages with roughly the same content, it’s going to compete with each other, kinda like a bunch of kids wanting to be first in line, and ultimately someone else slips in ahead of them :). Personally, I prefer fewer, stronger pages over lots of weaker ones – don’t water your site’s value down.
【訳】ほぼ同じコンテンツのページがたくさんある場合、それは互いに競合します。まるで一列に並びたいと思っている子供たちのように、最終的には他の誰かが彼らの前に滑り込みます:)。 個人的には、私は多くの弱いページよりも少ない、強いページを好みます-あなたのサイトの価値を下げることはやめるべきです。
引用:Reddit
記事数(ページ数)の増加には間接的なSEO効果がある
Googleが記事数(ページ数)はランキングに影響しないと述べていること、闇雲に記事を増やすことはかえって悪影響であることを解説しました。
一方で、現実には正しく記事数を増やすことは間接的にはSEO対策になると考えられます。
多くのユーザーの悩みに答えられる
質が100の記事が10個あるサイトAと、質が100の記事が50個あるサイトBではどちらがGoogleの評価が高いでしょうか?
誰から見ても、サイトBの方が価値が高いと判断できますよね。
なぜ価値が高くなるか、噛み砕いてみると以下のようなことになります。
- サイトBの方がユーザーが求める情報(悩みの解決策)を多く提供している
- 検索結果に表示される確率(検索ワードに引っかかる確率)も高くなる
- その結果、PV数(ページビュー数)が上がる
つまり、記事数自体が明確なランキングファクターというわけではありませんが、当然、ユーザーの悩みに多く答えられるサイトの評価は上がりやすいことになります。
冒頭でご紹介したGoogleのジョン・ミュラー氏の発言の続きにもこのようにあります。
Of course, if you have more things to say about the niche that you’re active in, by all means create more great content for it, but if you’re thinking about just splitting your existing content out across more URLs, that’s unlikely to be a good strategy for search.
もちろん、あなたが活動しているニッチについてもっと言いたいことがあるなら、ぜひそれのためにもっと素晴らしいコンテンツを作成してください、しかしあなたが既存のコンテンツをもっと多くのURLに分割することを考えているなら、それは検索のための良い戦略にはなりえません。
出典:Reddit
「発信できる情報があるならどんどんコンテンツを作成してください、ただし、記事数を増やすためだけに既存のコンテンツを分割するのは良い選択ではない」といった旨を述べています。
E-A-T評価が高まる
E-A-Tとは、Googleが「検索品質評価ガイドライン」で示しているWebサイトの評価基準の一つで、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字をとった造語です。
そして、E-A-T評価を高めるには一定の記事数が必要と言われています。
2つの例で説明します。
【例1】
- メンズファッションに関する記事が5個あるサイトA
- メンズファッションに関する記事が50個あるサイトB
E-A-T評価には様々な要素がからむため一概には言えませんが、基本的には良質な記事を一定数提供しているサイトBの方が、専門性や権威性があると判断されます。
【例2】
- 様々なジャンルの記事が50個ある雑記サイトA
- メンズファッションに関する記事が50個ある特化サイトB
これも誰の目から見ても明らかで、同一ジャンルの記事を増やしたサイトBは、サイトAに比べて明らかにE-A-T評価が高いと言えそうです。
このように、「単に記事数を増やすことのSEO効果」はないにしても、「同一ジャンルの記事数を増やすことのSEO効果」はE-A-T評価の観点から少なからずあると言えるでしょう。
記事数(ページ数)と記事の質はどちらを優先すべきか
紆余曲折しましたが、結果的には、
一定の質を保った記事を増やせばSEO効果がある
という、ある意味当然の結論に帰結します。
そうなると残る問題は、現実的に記事数と記事の質のどちらを優先すべきか、という点です。
基本的に優先すべきは記事の質
基本的には、記事数よりも記事の質を優先しましょう。
なぜなら、すでに説明のとおり「低品質なコンテンツ」なサイト全体の評価を下げるから。
質の低いコンテンツをいくら積み上げても評価は上がらないばかりか、高品質なコンテンツの足を引っ張る可能性もあります。
数打ちゃ当たる戦略は望ましくありません。
一定の質を保てる範囲で記事数(ページ数)を増やそう
記事の質というのはある意味大前提であって、そのうえで記事数を積み上げることがユーザーの悩みを解決し、E-A-T評価の向上にも繋がります。
しかし、「記事の質」と言うのは、なかなか見えにくい指標です。
すでに85点の記事を90点にするために何日もかけていた・・・ということもあり得ます。
記事の質を追い求めた結果、記事がまったく増えないというのは本末転倒です。
そのため、自分で納得できる一定の質を保てる範囲内において、記事数を増やす意識を持ちましょう。
最初から100点を目指す必要はありません!
ある程度自分が納得できる質で記事を公表し、実際の評価はGoogle(ユーザー)にやってもらいます。
具体的には、検索順位を見ながら適宜リライトをしていきます。
以上のようなサイクルにすることで、「記事の質」という見えない指標に囚われて記事数が増えないという問題を解決しながら、記事の質を一定に保つことができます。
まとめ:質を担保しつつ記事数(ページ数)を増やそう
本記事では、記事数(ページ数)を増やすことのSEO効果について解説しました。
最後にまとめておきます。
- 記事数を増やすことに直接のSEO効果はない
- 闇雲に記事数を増やすと、「低品質なコンテンツ」や「キーワードカニバリゼーション」が発生し、サイト全体の評価が下がる
- 正しく記事数を増やせば、「ユーザーの悩み解消」「E-A-T評価の向上」が見込め、間接的にSEO効果がある
- 基本的には記事の数より質を優先する
- 「一定の質で記事を公表」⇒「検索順位を踏まえてリライト」の順番で作業することで、記事をうまく増やしつつ質を保てる
10記事前後で上位表示という例もありますが、現実にはなかなか再現するのは難しいでしょう。
記事数をこなすことはライティングスキルの向上にも繋がります。
自分なりに「記事の質」とのバランスを取りながら、記事数を増やしていきましょう!