本記事は「沈黙のWebライティング」(著:松尾茂起)の書評です。
この本を読むべき人
- 普通のライティングとWebライティングの違いが知りたい人
- ユーザー(読者)へ訴えかけるライティングの方法が知りたい人
- 個人でブログやサイトを運営している人
この本では以下のようなことが分かります。
- Webライティング(SEOライティング)において意識すべきこと
- 読者に記事を「読んでもらう」ための具体的手法
- ライティングにおける「感情」と「論理」の使い分け
私がこの本を手に取った理由は3つです。
理由①:Webライティングの基礎を学びたかった
理由②:Webライティングを学ぶための定番本とされていた
理由③:「沈黙のWebマーケティング」を読んだので、その続編として
読み終えた感想としては・・・
Webライティングの全体像と基礎、そしてテクニックが網羅的に学べる超実践的良書
であると感じました!
ブログやサイトを運営していて、「何となくで記事を書いちゃってる・・・」という初心者には、同じ立場の人間からの意見としてぜひおすすめしたい一冊となっています。
なぜ?なぜ?ということを深く追求した論理的なライティング法を展開しているので、この本をきちんと消化すればWebライターとして一段ステップアップできるはずです。
「沈黙のWebライティング」の概要
【目次】
出典:松尾茂起. 沈黙のWebライティング
EPISODE01 SEOライティングの鼓動
EPISODE02 解き放たれたUSP
EPISODE03 リライトと推敲の狭間に
EPISODE04 愛と論理のオウンドメディア
EPISODE05 秩序なき引用、失われたオマージュ
EPISODE06 嵐を呼ぶインタビュー
EPISODE07 今、すべてを沈黙させる・・・。
本書ではWebライティングにおける重要ファクターを各EPISODEでストーリー形式で分かりやすく解説しています。
- SEOを意識したライティング
- ライティングにおける「USP」の重要性
- 文章を「読んでもらう」ためのリライトと推敲
- Webライティングにおける「感情」と「論理」の重要性
- 正しい引用の方法
- シェアされやすい(バズりやすい)記事の特徴
Webライティングの全体像をさらうだけの本かと思いきや、実践的なテクニックもかなり多い!
以下では、個人的に重要だと感じた点について、かいつまんでご紹介します。
①SEOを意識したWebライティング
Webライティングが単なるライティングと異なる点は、SEOを意識する必要があること
ある記事を読んでもらうだけなら、ソーシャルメディア(SNS)経由で集客することもできます。
しかし、SNSではなく、検索エンジン経由でアクセスを集めることの方が優れている点があります。それは以下の2つです。
- 「そのコンテンツ(情報)」を求めている人を直接集客しやすい
- 検索結果として継続して露出することができる
検索エンジンの性質上、悩みを持った人が能動的にアクセスするため、その後のアクションも能動的になりやすくなります。
さらに、検索順位が下がらない限りは継続的なアクセスが期待できます。
このようなメリットを享受するため、Web上で記事を作成する際には常にSEO(検索流入)を意識したライティングを行うことが重要です。
そしてSEOを意識するとは、すなわちGoogleから評価されるコンテンツを作ること。
そのための例として、以下のような具体例が挙げられています。
- 的確な答えを返している(網羅性)
- 先回りして悩みへの答えを返している(潜在的悩み)
- 素早く答えがわかる(結論ファースト、ページ内リンク(目次))
- 見やすい、分かりやすい(簡単な表現、フォントや行間)
- 信頼できる(筆者の立場を示す、理由を明確化する)
- 情報が新しい(情報を定期的にアップデート)
検索ユーザーにとって利便性が高いコンテンツを考える上で、念頭に置いておくべき考え方があります。それは「検索ユーザーは検索したいわけではなく、自分の悩みや質問に対する答えがほしい」というものです。
出典:松尾茂起. 沈黙のWebライティング
②文章を読んでもらうためには「自分事化」を誘発する
記事を読んでもらうためには、「この文章は自分にとって関係がありそうだから、読んだ方がいいな」と自分事化してもらうことが必要です
そして、自分事化とは、すなわち共感です。
例えば、この記事の冒頭では、以下のような文を入れました。
ブログやサイトを運営していて、「何となくで記事を書いちゃってる・・・」という初心者には、同じ立場の人間からの意見としてぜひおすすめしたい一冊となっています。
これも本書で示されているテクニックの一つですが、カギ括弧でくくることで、それが「感情」であることを明確化し、その感情に読者が共感することで「自分事化」される、というロジックです。
加えて、「同じ立場の人間からの意見」というのも、筆者がどんな人なのか?を具体化することで、より共感性を高めています。
このように、「感情」によって読者の心理的ハードルを下げていき、読み進めてもらう準備ができたところで明確な「論理」を示すというのが、Webライティングにおける一つの手法になっています。
「沈黙のWebライティング」で学べたこと
学べたこと
- 単なるライティングとは違う、Webライティングで意識すべきこと
- 記事を読んでもらうための実践的なテクニック
- 記事作成における「感情」と「論理」の使い分け
総ページ数631をほこる本書を読めば、「Webライティングの全体像」および「具体的なテクニック」をまとめて理解することができます。
本来、この情報量を消化するのはかなり大変ですが、
ストーリー形式で説明 ⇒ 各章のまとめ
というかたちで進行するため、長期的にも記憶に残りやすいです。
繰り返しになりますが、本書は「あくまで論理的に」Webライティング法について言及しています。
そのため、かなり「腹落ち感」があり、実践に移せるイメージも持ちやすいと思います。
まとめ:Webライティングの基礎が学べる良書
今回は、松尾茂起さんの「沈黙のWebライティング」をレビューしました。
Webライティングの全体像と基礎テクニックが網羅的に理解できる内容であり、実用入門書としてはかなりおすすめです。
この本を読んでから有名ブロガーの記事を振り返ってみると、「ここはこういう意図、テクニックなのかな?」といった気付きも得られますよ!
ブロガー、Webライターの必読書なので、是非読んでみて下さい。
なお、本書の前編である「沈黙のWebマーケティング」も合わせて読むと更に理解が深まります。
今回は以上です。